空からの贈りもの
沖末めぐみの「こころの絵にっき」
先ほど
セブンスターさんから
クリスマスプレゼントが届きました♫
(実はアンケートが目的のようですが…)
可愛い灰皿でしょ？
このプレゼント
実は
3年前に亡くなった夫宛て
以前
夫は確かにタバコを吸っていましたが
銘柄はマルボロでした。
セブンスターを吸っていたのは私
夫は
私のタバコのメンバーズに登録し
何かプレゼントを貰うと
それを私にくれました。
今まで気づかない私って
ホント変なのですが
夫は私のために
メンバーズになっていたんですよネ
私は
夫が生きている間
そんな夫の何気ない優しさも
小さな思いやりも
たくさん見落としていました。
ちゃんと愛してあげられなかったと…
今でも悔やむところが
たくさんあります。
3年前
夫はバイクに乗っていて事故に遭い
命は取り留めたものの
二度と意識は戻りませんでした。
脳幹という
体の機能の根本を司る部分を
損傷したためです。
そこを損傷してしまうと
助かる見込みはないと言われました。
夫が生きていた2週間ほどの間
私は 医師に
いつまで治療を続けますか？と
何度も問われ続けました。
奇跡の生還というのは
もっと軽い状態の人の話なんです。
ご主人は 既に
そんな状態ではないのです。
そんなふうにも言われました。
最新の医療なら
命を繋ぐことは出来る。
けれど
動くことも話すことも出来ない。
意思の疎通を図ることすら出来ない。
それを本当に生きていると言えますか？
そんなふうに
色んなことを問われました。
でもネ
私は神さまではないのです。
人の命を
人の生き死にを
どうして私が決められるというのでしょう。
…けれど。
決断しなければなりませんでした。
その状態の夫の命を維持するために
日々 莫大な費用が発生しているのを
知っていましたしね。
そして
夫が生前
管だらけにされてまで
生きていたくないと
息子に話していたこと。
臓器移植提供のカードを
持っていたこと。
そういったことを踏まえ
最後は
延命のための治療は
打ち切っていただきました。
その後
私は
夫を本当に愛している妻なら
植物状態になったとしても
生きていて欲しいと
そう願うのではないか。
そんなふうに自分を責めました。
私は自分や子どもを守るために
夫を犠牲にしたのではないか。
とも思いました。
私が夫を殺したのだと
そう思いました。
それから3年。
夫のことについては
心の処理も
もう随分 出来たなぁと
私は思っていました。
けれどネ
先日、気づきました。
私と同じように
ご主人を亡くされたという経緯から
グリーフセラピーなどをされている
カウンセラーさんと
お話した時でした。
その時、私
どこかで自分は悲しんではいけないと
思っていたのだということに
気づいたのです。
否応なく
大切な人を失った悲しみを抱える遺族
そんな方たちと
私は同じではないような
そんな気がしていたのですネ
私は望んで夫を殺したのだ。
そんな私が
本当に悲しんでいる人と同じように
悲しんではいけないのだ。
そんなことをしたら
私は嘘つきになってしまう。
ずっと ずっと
私は自分のことを
そんなふうに思っていたのだと
その時に気づきました。
それを話すと
私の話を聴いて下さっていた
カウンセラーさんが
「そんなことまで考えるなんて悲し過ぎるやんかぁ」と
号泣して下さいました。
泣いて下さった
カウンセラーさんの姿を見て
私は初めて
私も悲しんで良かったんだと
思いました。
こんなふうに罪悪感を
抱えていること自体が
遺族の抱える痛み
悲しみだったのだと
やっと
気づくことが出来ました。
この時期に
このカウンセラーさんと出会えたこと
そして
カウンセラーさんに
本当に感謝です
そして
今日
セブンスターの灰皿が
送られて来たのを見て
私は
これは夫からの
クリスマスプレゼントなのだと
感じました。
息子たちに
「これパパからのクリスマスプレゼントやと思うわ～」と言うと
ドン引きされてしまいましたが
でも
そんなふうに思えたというのは
きっと
私の心が少し癒されたからだと
思うのです。
あの時の私は精一杯やったのです。
そして、その後も
夫のために精一杯 悲しんでいたのです。
こころの傷が
跡形もなくキレイに消え去る
なんてことはないのかもしれない。
けれど
こんなふうに少しずつ
ゆっくり ゆっくり
浄化されていくものなのだと
そう思うのです。
今年のクリスマス
ほんとにステキな
プレゼントを貰ったなぁと思います
パパありがとう
空からの贈りもの
