大阪府カウンセリングルーム 陽だまり工房・あいむの「こころの絵にっき」

日々 感じることを絵とことばで綴る「こころの絵にっき」

Mother (yasuko san)

沖末めぐみの「こころの絵にっき」

 
今日は
私の母のことを
書きたい&描きたいと
思います。
 
 
母は
自分を産んでくれた
母親を知らない人です。
 
幾人かの育ての母に
育てられ
 
そんな中
上手く周りの愛情を
キャッチ出来ずに
育ったのでしょう。
 
ずっと ずっと
愛情に飢えていた人のように
思います。
 
愛情を貰うため
常に にこにこ
周り中の人に気を使い
良い人であろうとしていました。
 
けれど
やっても やっても
心の中は満たされず
不満で いっぱい
 
そりゃそうなんです。
 
良い人であるため
感謝されるため
そんな動機からする行為は
それをして貰う人に
余計な お世話感や
押し付けがましさを
感じさせてしまったりします。
 
そうなると
母が懸命に求める「感謝」が
他人から返って来ない。
 
となると
「こんなにやってあげたのに‼︎ 
という不満で いっぱいになります。
 
母が一生懸命に尽くした相手にほど
見返りが貰えないと怒りが噴出する。
そんなことも起こります。
 
そして益々
 
全然 足りない‼︎
もっと もっと 私を見て
私を大切にして
私を愛して
という気持ちが充満 (ToT)
 
また自分の気持ちを
満たしてくれそうな人を探し回る。
 
この人ならと思う人を見つけても
自分の思いにそぐわないと
「この人は良い人だと思ったのに…」
とガッカリ⤵︎
その人と疎遠になる。
 
愛情不足の
永遠のループに陥っている。
 
母は
そんなことを
繰り返していたように思います。
 
 
そんな母
 
近くにいる人にほど
たくさんの愛情を
求めます。
 
その欲求は
果てしなく
エスカレートして
 
もっと もっと‼︎
なります。
 
この人なら
自分の埋まらないものを
埋めてくれるのでは
と思う人には
無理難題を言い始めます。
 
そうやって
その人の愛情を
試そうとするのですね。
 
そうせざるを得ないのは
その人を失うことに
不安があるからだと思うのです。
 
それなのに母は
 
あの人は
こんなふうにしてくれたのに
あなたは してくれない。
どうして あなたには出来ないの?
そんな あなたより
あの人に会いたいわ
 
なんて
母のことを大切に思う人ほど
深く傷つくようなこと言います。
 
相手の愛情を試します。
 
(もっと相手が
自分に尽くしてくれるのを
期待しているのかもしれませんが)
 
そうやって母は
自分のことを
一番気に掛けてくれる人を
傷付けてしまいます。
 
遠ざけてしまいます。
 
もちろん
知らず知らず(無意識)に…。
 
母は気付いていないのですネ
 
母の無限大の期待に
答えられる人など
どこにもいないということを。
 
そして
母の心は
いつも独りぼっち (T_T)
 
「早く死にたい」
そんなことばかり言います。
 
 
60代から難病を抱えた母
もちろん
その闘病の辛さから来る言葉
だったのだとは思います。
 
でもネ
 
入退院を繰り返す中
退院すると掛けられる
「思ったより元気そうで良かった」
という言葉を母は嫌います。
 
「私は病人なのに」
「私が元気そうに見えるから誰も心配しない」
そんなふうに
受け取るのです。
 
そう。
母にとっての
最強の切り札は「病気」なのです。
 
みんなに一番
自分を大切にして貰えるのは
病気になった時
 
そういう信念を
持っているのでしょうネ
 
 
今回の入院は
2度目の骨折。
 
前回の骨折は8年くらい前
突然トイレの前で転んで
救急搬送
 
その時
母は
「なぜ転んだか分からない」と
言いました。
 
その後
骨折での入院だったはずが
突然 大量に
原因不明の下血
そのまま意識不明になりました。
 
意識が戻ったのは
2週間後でした。
 
 
そして今回は
2度目の骨折での入院
 
施設入所中の母は
足元が覚束ないので
1人でベットから降りないよう
言われています。
 
なのに何故か
何度も転びます。
(ベットの上の人が 何故 転ぶ? (・・?) )
 
状況を訊いても
母は
「なぜ転んだか分からない」と
答えます。
 
今回も
骨折での入院のはず
なのに
意識レベルが下がり
その影響で
臓器が弱って行っています。
 
夢と現実の狭間を
漂い続ける母の様は
まるで
現実の世界を
拒否しているみたいに
私には見えてしまいます。
 
 
前回は
現実に戻って来た母
 
けれど
今回は
前とは状況が違います。
 
末期の肝臓ガンを抱え
腎臓も機能しなくなくなって
来ています。
 
母は本当に逝こうとしています。
 
 
先週
ベットで眠る母のお腹の上に
泣きじゃくる小さな女の子が
乗っているのが
見えた気がしました。
 
私には
それが
母のインナーチャイルドのように
思えました。
 
母の心の中に
置き去りになっている子ども。
母自身です。
 
 
癒されない子ども
 
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自分自身を傷付け
そうやってでも
「私を見て~」と
叫んでいる。
 
痛々しい子どもの姿
 
(もちろん
私が見たものだから
私の思いが
映し出されたもので
あるのでしょうけれど。)
 
その時
私は とても悲しくて
 
けれど
何も出来ないと
思いました。
 
 
あなたを見ているヨ
 
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悲しく 寂しい
あなたの気持ちは
痛いほど受け取りました。
 
けれど
 
あなたの痛みを癒せるのは
あなただけ
 
私に出来るのは
あなたの痛みを
共に感じ
ここにいる

それだけ。
 
 
母の周りの人には
母に対する愛情が
本当に なかったのでしょうか?
 
違うと私は思っています。
 
最初に書いたように
母に
上手くキャッチすることが
出来なかったのだと
思うのです。
 
それは
母の心の傷付きが
大きかったから。
 
痛みが深かったから。
 
母は
それを誰かに
癒して欲しかったのだと
思います。
 
でもネ
 
それは無理なのです。
 
母の中から取り出し
私が癒してあげる。
 
そんなことは
出来ないのです。
 
他の人の心の中に
入ることなど
誰にも
出来ないのだから。
 
自分自身で自分を癒す。
 
それ以外に
心の傷を緩和させる方法なんて
ないんです。
 
その作業を
1人で行うのは難しい。
 
だから
他の人に応援して貰う。
そんな形で
他の人に手を借りることは
出来ます。
 
けれど
他の人に出来るのは
あくまで応援。
 
自分の傷を癒すのは
自分自身です。
 
 
…そんなふうに思えるまで
 
本気で そう思えるまで
 
私は
母を変えようと
何とか救おうと
たくさんの
努力をして来ました。
 
私になら
母を救える
母を変えられると
そう信じていたのだと
思います。
 
それが
ある意味
とても傲慢な思いだったのだと
いうことに気づくまで。
 
私は
ずっと ずっと
長い時間を費やしました。
 
可哀想な母を
何とかしてあげたい。
 
私は
そう思っていました。
 
可哀想…なんて思うこと自体
とても傲慢なことだと
今は思います。
 
母は可哀想などではありません。
 
母は強く
自分の人生を
自分の思うように
生き抜いて来た人です。
 
その彼女が望まないことを
他人が
押し付けることなんて出来ません。
 
彼女の傷が癒えないのは
彼女が
それを望まないからです。
 
それが
母の思う
母の人生の脚本の中に
どうしても必要な
素材なのかもしれません。
 
 
母の思いは別として
今、私が母を見ていて思うことを
最後に
書いておきたいと思います。
 
それは
 
コーラスやカラオケが
好きだった母。
あの時
無邪気に笑っていた笑顔は
本物だったと
私は思っています。
 
どんなに苦しい生活の中でも
笑って おにぎりを
作ってくれた母。
 
しょっちゅう中耳炎になって
夜泣きする私をおぶって
夜の街を歩いてくれた母。
 
寒い冬の日は
自分のコートの懐に
私を包んで
一緒に歩いてくれた母。
 
私が たくさん食べることを
喜んでくれた母。
 
いつも その場の空気を
明るくしてしまう
そんな母の笑顔は
本物だったのだと
私は思います。
 
 
そんな
あなたのことをネ
 
お父ちゃんも
お兄ちゃんも
お姉ちゃんも
周りの人みんな
大好きだったんだヨ
 
もちろん
 
私も大好きだヨ
 
 
Mother(yasuko san)
 
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あなたが もう いらないと言う
あなたの人生
 
その あなたから貰った私の人生を
私は大切にして
生きていきたいと思います。
 
だって
大切な人から貰った
最大の贈り物だから。
 
私の人生を大切にすることが
何よりあなたを大切に思うことだと
思うから。
 
私の最大の親孝行は
私自身を大切にすることだと
私は信じます。
 
あなたに貰った人生
あなたに感謝します。
 
 
そんな思いを込めて
 
あなたに
たくさんのクローバー(愛)を
送りたいと思います。
 
あなたが
あなたの周りに確かに存在する
たくさんの愛情に気づき
あたたかい気持ちで
逝けることを祈りつつ…。
 
 
クローバー Megumi.O クローバー